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【雑学】ハイブリッドの語源と意味

記事 兵庫三菱Web編集局 A.Nabeshima 2015.09.02 配信

人気映画に登場したハイブリッド恐竜

記事を書くようになってから、「ハイブリッド」という言葉に以前より敏感になった気がします。先日、人気映画「ジュラシックパーク」の続編として話題の「ジュラシックワールド」を観に行ったのですが、そこに登場するのが「ハイブリッド恐竜」です。遺伝子操作によってティラノサウルスを初めとする色んな恐竜やカエルやヘビを掛け合わせた「インドミナスレックス」というハイブリッド恐竜がパーク中を暴れ倒します。

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もはや怪獣です。このハイブリッド恐竜、身体能力も知能も最強となり、人間も他の恐竜も太刀打ちできません。その暴れっぷりは映画館でごらんください。

話題のスーパー高校生もハイブリッド?

最強のハイブリッド恐竜を観た後、「ハイブリッドって、1+1=3にも5にもなるものなんかな〜」なんて考えていると、この夏スポーツ界で脚光を浴びた2人のスーパー高校生を思い出しました。夏の高校野球で活躍した関東一高のオコエ外野手と、現在世界陸上で活躍中のサニブラウン選手は、二人とも並外れた体格の良さと運動能力で注目を浴びていますが、母親が日本人で、父親の国籍が違います。さて、この二人も「スーパーハイブリッド選手」と言っていいのかどうか、気になったのでハイブリッドの語源と意味を調べてみました。

語源と意味

hybridの語源はラテン語の「hybrida」で、「豚と猪から生まれた子孫」という意味だそうです。17世紀初頭から英語のhybridが使われるようになりました。ハイブリッドの「ハイ」は能力の高さを意味する「high」のような感じがしますがイノブタからきているんですね。次は意味を調べてみます。

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オックスフォード辞典によると、ハイブリッドの定義は以下の3つです。

  • 1. 種や品種が異なる動物や植物から生まれた子孫

    1つ目は生物学的なもので、「雑種」を意味します。シマウマとロバから生まれたゾンキーや、トラとライオンのライガー、リクイグアナとウミイグアナのハイブリッドイグアナなどが該当します。

    hybrid3.png 写真:DAYLY NEWS

    ポイントは「種が異なる」ということです。同じイグアナでも、リクイグアナは「オカイグアナ属ガラパゴスリクイグアナ」、ウミイグアナは「ウミイグアナ属ウミイグアナ」という違う種ですが、人間はすべて「ホモサピエンス」という種なので、人間同士は人種が違ってもハイブリッドとは言わないということになります。ただ最近では広義の意味で、種内でも使うこともあるそうです。

  • 2. 2つ以上のものを組み合わせて作られたもの

    生物学的な意味から派生して、異なるものが組み合わさったものという意味で広く使用されるようになりました。例えば「ハイブリッド言語」は日本語の「写メ」や、英語の「beautiful」(フランス語beaute+英語ful)など、異なる言語が混合してできた言葉をいうそうです。他にもハイブリッドコンピューターやハイブリッド証券など、様々な分野で2つ以上のものが組み合わせや混合を表す用語として使用されています。

  • 3. 2つの違うエネルギーを使用する乗り物

    ハイブリッドと聞けば、ほとんどの人がハイブリッドカーを思い浮かべるのではないでしょうか。ご存知の通り、ガソリンやディーゼルと、電気など、2種類のエネルギーで走る乗り物を意味します。ちなみに、三菱アウトランダーPHEVの「PHEV」はプラグインハイブリッドカーで、外部からの充電ができるという点で普通のハイブリッドとは違い、またPHVよりも長い時間電気での走行が可能な車を言います。

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まとめ

現在ではハイブリッドというと、ハイテクのイメージが強いのですが、語源は生物学的な意味だったのですね。生物学的に見ると、映画のハイブリッド恐竜のように人間のエゴや、人種が違えば差別的な発想など、ネガティブな面もありそうです。なので、人に「お前ハイブリッドやな!」と言うと、能力が高くかっこいいってことかなと喜ぶ人と、中には気を悪くする人もいるかもしれません。人種などその人の性質ではなく、能力の意味で使用することがポイントだと思います。今後、ハイブリッドカーなどが益々普及して良いイメージが広がれば、ハイブリッド=「両刀使いで能力が極めて高いこと」という意味も加わるかもしれません。

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