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【YETI】徹底解説&比較!ローディ20 vs タンドラ35 最強のクーラーはどれ?

兵庫三菱/姫路三菱ウェブ編集局
記事 : N.Nagasaka | 企画協力 : 株式会社六角形
配信日 : 2021年1月25日 9:00 JST

こんにちは。今回の記事では、言わずと知れたアウトドアメーカー『YETI(イエティ )』のハードクーラーBOX「ローディ20」と「タンドラ35」を解説&比較します。実際に何度か使った経験も踏まえて、そもそもYETIってなんなの?と言う部分から、製品の細かすぎる部分まで、動画を交えてどこよりも徹底解剖。参考にしてくださると幸いです。(動画は超軽量なのでギガの心配はなさらず!)
ちなみにローディは、2020年7月に新サイズ「24」が発売されていますが、今回紹介するのは前モデルの「20」です。

YETI(イエティ )とは?なぜここまで人気なのか?

YETI(イエティ )の歴史やこだわり

『YETI』(イエティ)は、米テキサス発のアウトドアメーカー。Roy SeidersとRyan Seidersという兄弟が2006年に創立しました。狩猟や釣りなど、子供の頃からアウトドアに慣れ親しんでいたRoy兄弟。しかし、どんなクーラーボックスを使っても品質に満足できませんでした。そこでいっそのこと、耐久性も保冷力も最強のクーラーを自分たちで作ってしまうことに。結果、プロのハンターも含め、世界中のアウトドアファンを魅了するハードクーラーの代名詞となりました。

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製品を崖から落としたり、熊と戦わせたりするCMが話題ですが、それも「真剣なアウトドア愛好家のために」作っているからこそ。比較的新しくはありますが、非常に信頼感あふれるメーカーです。ちなみに、ドイツにもYetiという老舗ハイエンドアウトドアブランドがありますが、別物の会社です。

展開している製品

そんなYETI(イエティ )が展開するのは、クーラーBOXと周辺アクセサリー、ドリンクウェアなどです。YETIドリンクウェアのレビューは、他のメーカーとの真空断熱マグカップの徹底比較記事があるので、ぜひご覧ください。クーラー開発で培った保冷力が存分に生かされています。(本国では犬用のボウルも売っているそう。笑)

YETI(イエティ )のクーラーは、どれくらい、なぜ人気なのか

2006年にできたにもかかわらず、いまやハードクーラーの代名詞のYETI。人気の軌跡を探るためGoogle Trends(キーワードの検索数がわかるサイト)で「YETI クーラー」を調べてみると、日本では2013年ごろから話題になり始め、2018年夏ごろに一気に爆発して今に至るようです。

ここまでになった大きな理由はやはり、「プロをも唸らせる最強の保冷力と耐久性」をもってして、「元祖ハードクーラー」となったことでしょう。また、ビジネス的な話をすると、マーケティング責任者には、あのカルバンクラインの元マーケティング担当者がついているそう。そりゃ売れるわけです。本記事ではこれらの点にも注目して解説します!

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タンドラ35とローディ20の基本情報、プレミア価格について

さて、ここからが本題です。ローディ20とタンドラ35を紹介していきます。

タンドラ35
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  • 定価:50,600円(税込)
  • サイズ
    • 外寸:54.29cm×40.96cm×40.01cm
    • 内寸:37.1cm×26.7cm×28.6cm
  • 容量:28.3L
  • 重量:9.07kg
  • 付属品:バスケット(後述)
ローディ20
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  • 定価(おそらく):29,480(税込)
  • サイズ
    • 外寸:50.8×34.1×36.8cm
    • 内寸:35.2×23.4×26.3cm
  • 容量:19.6L
  • 重量:7.25kg
プレミア価格について
YETI(イエティ)の製品は、非常に人気で買いにくいため、定価で変えない場合が往々にしてあります。正規輸入代理点のA&Fでも、ほとんどが売り切れ状態。Amazonに並行輸入の在庫ならありますが、どれも定価より数千〜1万円高い状態です。同じタイプでも色によって値段が違う場合もあります。ちなみに今回、タンドラ35は並行輸入品を¥34,880で買いましたが、現在は¥46,900です。ブランドすごい。

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また、ローディ20は、より使いやすく性能の良い新作のローディ24が2020年7月に出たため、現在絶版となっています。すると、残った分は安くなるのかと思いきやしっかりプレミア価格に。中古でも5万円くらいで売られています。YETIブランドの力ですね。

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ちなみに、YETI(イエティ )製品の生産は、アメリカだけでなくフィリピンでも行われています。気にする方は注意してください。

YETI(イエティ )の特徴である仕組みや構造

実際に触れてみると、ガッチガチです。普通のクーラーBOXのような「ベコベコ」感はゼロ。熊でも壊せないのは納得ですね。壁の厚みもすごく、保冷力がありそうです。

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これらを実現しているのは、「成形方法」「大量の断熱材」「密閉構造」です。カヤックを作る際と同じ「回転成形」という方法で成形するため、ボディには継ぎ目がありません。また、普通なら空洞なはずの蓋部分も含め、通常のクーラーと比べて3〜5倍の厚みの断熱材が存分に使われています。そして、密閉性を上げるためにしっかりとゴムパッキンが貼られています。

タンドラ35とローディ20を色々な点で比較してみる

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容量の比較

まずは一番気になるところのひとつであろう、容量の比較です。公式の数字ではありませんが、一般的にはタンドラ35が一泊二日で2~4人分、ローディ20が1~2人分程度の食糧を入れられるとされています。

  • 2Lペットボトルを入れる場合

    割とびっくりですが、2Lのペットボトルを立てて入れることができません。タンドラ35、ローディ20共にです。2Lペットボトルの高さは31cm。この条件を満たすのは、新作のローディ24とタンドラの50以上のモデルのみです。2Lペットボトルってアメリカには無いんですかね。

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    横に倒せば、タンドラ とローディいずれも二本並べられます。

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  • 500mlのペットボトルを入れる場合

    500mlなら、立ててはもちろん倒して並べることも可能でした。ローディは5本、タンドラは6本です。

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その他細かい点の比較
  • 取手

    取手は、大きな違いがあります。
    タンドラ35は、両サイドに丈夫そうなロープと持ち手が。両手を使って持ち上げる必要があります。これは、タンドラのどのサイズも同様です。

    対してローディ20。こちらは、片手でも持ち上げられる取手がついており、運びやすいです。

  • 留め具(ラッチ)

    開閉のための留め具(ラッチ)は、どちらも同じ、大きな錨のようなゴム。引っ張ると開けられます。正直、女性や子供にはなかなか開けにくい強度かもしれません。

  • バスケット(タンドラのみ)

    タンドラには、内部に浮かせて設置できるバスケットがついています。すぐに出したいものなどを置いておけますが、なにせ網目が荒いため、少し使いにくかったりします。

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  • 水抜き

    YETIのクーラーには全て、水抜き用の栓がついています。掃除や後処理は簡単そうですね。

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  • 重さ

    9.07kgと7.25kgなので、どちらもとても重いです。大量の断熱材とのトレードオフです。ただ、新作のローディ24は、ローディ20より容量が増えたのに10%も軽くなっていたりします。

  • サイズ感
    • 真横に並べたサイズ感 YETI-rodie-tundra-38.jpg
    • デリカD:5に車載した際のサイズ感 YETI-rodie-tundra-72.JPG YETI-rodie-tundra-73.JPG

実際保冷力ってどれくらい?最大限活かすには?

ここまで、タンドラ とローディの比較をしてきました。が、そもそもYETI(イエティ )の保冷力とはどれほどすごいのか、またどうすればその力を最大限引き出せるのかを解説します。

どれだけ保冷力があるのか

記事の序盤で述べたとおり、YETI(イエティ )のクーラーは通常の3~5倍の厚みの断熱材を使用しています。10日間氷が持つなんて話もあります。実際どれくらいすごいのか、検証してみました。

使ったのは、一定時間ごとに温度を自動的に記録し、保持できる温度計。LOGOSの保冷剤「倍速凍結・氷点下パックXL」を二つ入れ、40時間ほど外(真冬)に放置してみました。

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結果はこの通りです。計測は1時間ごとに行いましたが、グラフは5時間区切りで書いています。

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庫内の温度は計測開始後すぐに下がり、4~6時間ほどで最低温度の-6.7℃に。その後は8時間ほど最低温度をキープしていましたが、徐々に上がっていきました。しかし40時間後も-2℃付近までしか上がっていません。2泊3日でキャンプしても十分すぎる感じですね。ただ、この2、3日間の神戸市の気温は、真冬で8~9℃とかなり低かったです。夏だと全く違う結果になると思われるので、次に紹介する保冷方法を実践してみてください!

どうすれば最大限の保冷力をひきだせるか?

実は、さきほど筆者が行った「保冷剤二つ」というやり方では、YETI(イエティ )の本領を引き出せていません。YETI(イエティ )の米国のホームページに、その正しい方法が記載されているので紹介します。一部端折ったりつけたしたりしています。

『YETI(イエティ )ハードクーラーの氷を長持ちさせる10の方法』
  1. 予冷をせよ

    使う数時間前から、生贄の氷で庫内を冷やしておこう

  2. 氷:内容物=2:1

    全体の2/3を氷に、1/3を内容物にする。氷が多いほど保冷力が高い

  3. 氷の温度に気をつけて

    0度の氷は濡れていて溶けやすい。さらに冷たい氷を使うように。

  4. ブロックアイスとキューブアイスを混ぜろ

    大きなブロックアイスは溶けにくく、小さいキューブアイスは内容物をすぐに冷やせる。プロはミックスして使う。

  5. 隙間をへらせ

    隙間(空気)が多いと、氷の冷気をそちらに奪われてしまい、非効率的。

  6. 溶けた水はそのままに

    氷が溶けた水も、残った氷を守る役割を持つ。ただし、濡れてはいけない食糧があるなら話は別。

  7. 直射日光を避けよ

    直射日光と陰の下では、氷の溶ける速度が2倍も違う。

  8. 開けたらすぐ閉める

    せっかくの冷気が逃げてしまう前に、なるべく早く閉めよう。

  9. ドライアイスが一番

    YETI(イエティ )のハードクーラーは、ドライアイスと相性がいい。

  10. YETI(イエティ )の保冷剤も使おう

    YETI(イエティ )公式が発売している、3つのサイズの保冷剤。これは、普通の氷よりも低い温度で凍るため、保冷力抜群。

と、言った具合です。ちなみに、自分のYETI(イエティ )クーラーに最適な保冷剤の組み合わせがわかる公式サイトもあります(笑)(末尾にリンクあり)

ただ正直、これらを全てをやる余裕も、必要もない方がほとんどだと思います。保冷剤も、YETI(イエティ )にこだわらないのであれば他社製の物で十分でしょう。筆者はLOGOSの保冷剤「倍速凍結・氷点下パックXL」を使っていますが、そちらも-16℃まで冷える強者です。
もし本当にハードな使い方や、長い期間保冷したい方は、10の方法を試してみてはいかがでしょうか。

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まとめ・実際使った感想

YETI(イエティ)ローディ20とタンドラ35を細部まで解説いたしました。いかがでしたでしょうか。どちらも元祖ハードクーラーメーカーとして信頼のプロダクトでした。
最後にデイキャンプではありますが、実際に使ってみた筆者個人の感想を述べると、「所有欲が満たされる」「重い」「保冷力はさすが」の3点に尽きました。そして個人的には、重要なのは一つ目「所有欲」。YETI(イエティ )は、他の後発のハードクーラーと比べて、高価なのは事実です。さらに機能面でも、『ペリカン』など、YETI(イエティ)より安いのに性能が良さそうなものがあったりもします。わずかな差ですが。
しかし、唯一他の製品が勝てないのが、「ブランド」の部分だと、今回実感しました。YETIブランドに惹かれ、所有欲を満たしたい人は逆に迷う必要はないのではないでしょうか!

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関連情報

YETI(イエティ) 日本公式販売代理店「エイアンドエフ」HP

エイアンドエフ YETI

YETI(イエティ) 米国公式サイト

YETI

YETI(イエティ) タンドラ 35 販売ページ

イエティ クーラーボックス タンドラ35 タン

YETI(イエティ) ローディ24 販売ページ(20は絶版)

イエティ クーラーボックス ローディ24 タン

YETI(イエティ) 最適な保冷剤がわかる公式サイト

YETI ICE SIZE CONFIGURATOR

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