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機設ロジスティクス|父の思い継ぐ、若社長率いる西宮の物流企業 定森哲也さん|INTERVIEW#3

兵庫三菱Web編集局 | 記事 : N.Nagasaka
配信日 : 2019年11月1日 15時00分 JST

こんにちは!
WEB編集局のNagasakaです。

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このインタビューシリーズは、兵庫県で活躍されている方々にインタビューし、皆さまにご紹介するという企画。今回インタビューさせていただいたのは、西宮の物流企業『株式会社機設ロジスティクス』の代表取締役 定森哲也さん。

モノを必要とする人に届けるという点で、なくてはならない物流企業。 『株式会社機設ロジスティクス』は、そのモノの「流れ」の中でも、「精密機械を主に扱う物流プランナー」として、高い技術力とサービスで関西の物流をリードしています。

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一体どんな会社なのでしょうか?インタビューしてまいりました!

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PROFILE
『株式会社 機設ロジスティクス』代表取締役・定森哲也
父親の経営する機設ロジスティクスの前身会社に入社し、2017年に代表取締役就任。
「お客様の利益を第一に」をモットーに、たしかなサービス品質で、安全にモノを送り届ける。

精密機械輸送のプロ集団

ー まず、機設ロジスティクスとはどのような会社なのでしょうか?会社の概要を教えてください。

定森哲也さん(以下、定森): 株式会社機設ロジスティクスは、兵庫県西宮市にある、社員数10名の物流会社です。私の父が創業した2つの会社を、私が引き継ぐと同時に統合し、2017年に現在の『株式会社機設ロジスティクス』となりました。
「精密機械を主に扱う物流プランナー」として、精密機械メーカーなどの企業に対して、様々な物流サービスを提供しています。

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ー 「精密機械を主に扱う物流プランナー」・・・。イメージが難しいですが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

定森:主に扱うのは、メーカーが工場で製品をつくるために使う機械や、自動車の部品などです。製品を海外輸出したいメーカーなどから依頼を受け、メーカー工場からの輸送や、製品の梱包、輸出用のコンテナ詰め、さらにそれらを総合した物流のプランニングまでの物流サービスを、すべてワンストップで提供しています。

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ー メーカーにとっては必要不可欠な存在ですね。ワンストップというのはつまり、ある製品がメーカーから輸出港に着くまでのすべての物流行程が、この会社だけですべて済む、ということですか?

定森:そうですね。それが弊社の強みのひとつです。
多くの場合、弊社のような規模の物流企業は、梱包だけ、輸送だけ、というように、1つの物流サービスしか提供できないことが多いです。しかし、弊社の場合は、機械輸送や据付、梱包などの技術を統合前の2つの会社ですでに持っていました。統合により、それらの技術をひとつなぎに連携させた、ワンストップでのサービス提供が可能になったんです。

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ー どうして、ワンストップのサービス提供が強みとなるのでしょうか?

定森:お客様にとっての大きなメリットである、コスト削減や、スケジュールの簡略化に繋がるためです。
メーカーさんの多くは、業務にかかるコストやスケジュールをできる限り効率化したいと考えています。
しかし、梱包や輸送ひとつずつの作業に対して個別の会社と契約を結ぶと、その分コストは増え、スケジュールも長くて複雑になってしまいます。弊社はそういった悩みを一挙に解決することが可能なんです。

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ー それは、『機設ロジスティクス』が選ばれる理由になりますね。

定森:はい。また、お客様のメリットを考え、コンテナ内部の貨物の配置をデータ化してお渡しするサービスも提供しています。

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ー それにはどういったメリットが?

定森:貨物をコンテナからおろす作業が効率化されます。
コンテナ内には、複数種類の貨物が所狭しと並んでいます。それを、なんの手がかりもなしに解体するのは、とても手間のかかる作業です。コンテナ内部の図面や写真があると、非常に効率的に作業を進めることができます。
これは、実は大手ですら多くの会社が提供していない特徴的なサービスで、お客様からの好評もいただいています。

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会社統合によって生まれた「付加価値」

ー 前身の2つの会社の統合について、詳しく教えていただけますか?

定森:私の父が、1996年に『有限会社イー・シー・エス』という梱包の会社を、1998年に『機設工業有限会社』という機械据付・輸送の会社を設立し、経営していました。2017年に、父は病気で亡くなり、私が会社を継いで、統合しました。

統合の最大の目的は、弊社の提供できる「付加価値」を最大限まで高めることでした。

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ー どういうことでしょう?

定森:事業方針を転換する必要があったんです。
2008年のリーマンショックで、神戸港の輸出量が激減しました。それにより物流業の価格競争が激化します。その煽りをうけ、弊社の前身の会社は、神戸港の輸出量が回復しだした後も、依然として厳しい状況にありました。

前身の会社が価格競争の影響を受けた大きな要因のひとつは、会社の持つサービスをそれぞれ単体で提供していたことです。そのため、同じ内容のサービスを提供する競合他社とは、価格での勝負になっていきました。

そこで私は、会社を継ぐにあたり、他社が提供できない、お客様のメリットとなる「付加価値」を提供することが今後必要になると考え、2つの会社を統合しました。そうして可能になったのが、2つの前身のノウハウを連動させた、ワンストップでの物流サービスの提供でした。

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ー 統合からのワンストップサービスの提供は、生き残り成長を続けるための戦略だったのですね。前身の会社が不況に喘ぐ中でお父様が亡くなり、会社を継ぐことは難しかったと思います。覚悟はされていたのでしょうか?

定森:はい、実家の会社だったので、はじめから継いでいく覚悟はしていました。
実は、当初は厳しい状況にあった『機設工業』を畳もうと考えていました。しかし、他社に優る付加価値を提供する必要がありましたし、なにより社員もお客さまもいました。これまで支えてくれた皆さんを裏切るようなことはできないと考えて、2つとも継ぐことにしたんです。

「2つを統合して、『機設ロジスティクス』という会社にするよ」と伝えた日の夜に、父親は亡くなりました。

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「お客さまにとってのベストパートナー」へ

ー これからの機設ロジスティクスは、どのように変化していくのでしょうか?

定森: 現在、新しい自社工場の建設が決まっていますので、どんどん仕事の量を増やしていきます。女性の雇用にも力を入れ、社員も増やして業務をさらに効率化していきたいと考えています。
また、これからの時代を生き残るため、経営者だけでなく社員自身が考える力をつけられるように、経営方針は社員と一緒に考えています。
彼らと一緒に「働いていることを誇れる会社」を作っていきたいです。

そして、現在弊社は、企業としてはやっとスタートラインに立ったところです。今後は、常に5年先、10年先のビジョンと戦略をもった経営を行い、お客さまにとってのベストパートナーとなれるよう、さらに成長していきます。

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