兵庫三菱発信編集局ニュース

ペトロマックス(Petromax) ファイヤーボウル fs-48の使い方・お手入れ方法

兵庫三菱/姫路三菱ウェブ編集局
記事 : N.Nagasaka | 企画協力 : 株式会社六角形
配信日 : 2020年7月1日 9時00分 JST

真っ黒の無骨なデザインがキャンパーの感性をくすぐる『Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウル』。今回はこの製品を徹底レビューします!

1. 老舗ブランド「Petromax(ペトロマックス)」とは?

「Petromax(ペトロマックス)」とは、1910年に灯油ランタンのブランドとして創業したドイツの会社です。「伝統・革新・品質」を社是とするこの会社、実はとても変わった歴史を持っています。

petromax-fire-bowl-logo-1.jpg

「Petromax(ペトロマックス)」の灯油ランタンは、創業からドイツを越えて世界的な人気を得ていきました。社名の由来も、創業者のMax Graetzさんの愛称である"Petroleum(石油) Maxe" から取っているそう。しかし、2009年に大きな変革を迎えるまで、Petromax(ペトロマックス)の中心製品は依然としてランタン。今のようにアウトドア全般を扱うブランドではありませんでした。
この大変革を起こしたのが、当時なんと大学生だった現在の社長、Jonas Taureckさんです。旅先で灯油ランタンに魅せられたJonasさんは、ドイツに帰国後Petromax(ペトロマックス)のスペアパーツを販売する事業を始めます。事業を成長させた結果、2009年にはなんとPetromax(ペトロマックス)の全株式を引き継ぐことに。経営学博士の妻とともに会社を新たな方向へ育てて行き、今では料理や焚き火、ブッシュクラフトなどアウトドア製品の世界的ブランドになったのです。
イノベーティブさと伝統を両方兼ね備えた「Petromax(ペトロマックス)」のギアに注目ですね!

ちなみにインスタでpetromaxをタグ付けして投稿すると、ほぼ必ずリプライをいただけます。その姿勢が好き。

『Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウル』の仕様

さて、本題です。『Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウル』は、こんな感じのいわば「でっかいボウル型鉄板」です。

petromax-fire-bowl-1.jpg

素材は「鋼鉄(スチール)」です。鉄の中でも強さとしなやかさを兼ね備えており、スキレットの素材である「鋳鉄(ちゅうてつ)」より含まれる炭素が少ないため、鋳鉄よりは柔らかく割れにくい(粘り強い)素材です。しっかりメンテナンスをすれば、半永久的に使うことができます。メンテナンスについては後述します。

petromax-fire-bowl-grip.jpg

Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウルの特徴は、大きく2つの使い方があることです。そもそも、この製品の正式名称は「Griddle & Fire Bowl(グリドル&ファイヤーボウル)」です。グリドルとは鉄板、フライパンのこと。つまり使い方は、1つは鉄板として料理に使う方法。もう1つは焚火台として使う方法です。

petromax-fire-bowl-2.jpg

ファイヤーボウルには3つのサイズが用意されています。

  • 『fs38』
    ¥9,200(税抜)
    サイズ: 38 × 26cm
    重量: 約3㎏
  • 『fs48』
    ¥11,000(税抜)
    サイズ: 48 × 26cm
    重量: 約5㎏
  • 『fs56』
    ¥15,000(税抜)
    サイズ: 56 × 26cm
    重量: 約6㎏

重ねて使うことも可能で、そうするとファイヤーボウルだけで焚き火と料理を楽しむことができます。キャンパーの憧れの1つかも。
今回レビューしているのは真ん中のサイズの「fs48」。筆者の手と比べるとこれくらいの大きさです。ほとんど平らな形状とは言え、収納にはスペースが必要です。

petromax-fire-bowl-3.jpg

運搬や収納のためのケースは別売で用意されています。正規輸入業者のスター商事さんでは、「fs38」が¥3,500、「fs48」が¥4,200、「fs56」が¥5,600です。

地面において使う際は、付属の3本のネジ式のポールを取り付けて使います。このような感じ。地面に置いた際の高さは26cmくらいです。ちょうど、 小さめの焚火台である「solo stove titan(ソロストーブ タイタン)」を下に置けるくらいの広さです。

petromax-fire-bowl-4.jpg

調理での使用について

これだけ大きな鉄板を料理に使うとなると、やりにくいと思われる方もいるかもしれませんが、実は真逆!焼ける場所が広くなるので、非常に料理がしやすくなります。 今回試したのは、「6pチーズの丸焼き」です。「イヤその大きさいらんやろ!」というツッコミはなしで!ちなみに、浅いボウル型なので調理可能なメニューは限られます。

petromax-fire-bowl-cook-2.jpg.jpg

火元には、焚火台「solo stove titan(ソロストーブ タイタン)」を使いました。

solostove-titan-fire.jpg

鉄製のためアルミやステンレスのフライパンより熱伝導率が高く、食材に均等に火が行き渡ります。火加減には注意を!

焚火台としての使用について

今回購入したファイヤーボウルは料理用鉄板として使いましたが、焚火台としての使用に関しても触れておきます!

Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウルを焚火台として使用する方法はシンプル。鉄板の上に直接薪を置き、燃やすというものです。

Petromax-Grill-und-Feuerschales-fs38-gestapelt-Verlaengerungen-Grill-und-Kohlenzange-Griddle-and-Fire-Bowls-fs38-stacked-Extensions-BBQ-and-Coal-Tongs-2.jpg

www.petromax.deより

風防がないため、風が強いと火をつけるのは難しいかもしれません。逆に一度火がつけば、空気の流れを遮るものがないためよく燃えそうです。
ただ、実際に使った人の声を調べると、デメリットとして灰が飛んでしまうという点があるようです。灰を捨てるときも、火消し壺などに入れるのは一苦労。この点は注意したいですね。

灰が飛ぶのを防ぐには、他社製の風防などを使うのが有効です。こちらは、「Asimocrafts(アシモクラフト)」製の風防「Asi_circle」です。

petromax-fire-bowl-asimocrafts.jpeg

また、ファイヤーボウルを焚火台として使用しながら料理をしたいという方には、高さのある「五徳」を使うことをオススメします!
例えば、Petromax(ペトロマックス)からは高さのある「クッキングスタンド」という製品が出ています。写真のように風防と組み合わせて、焚き火をしながらフライパンを使って調理ができます。

petromax-fire-bowl-cooking-stand-1-2.jpg

メンテナンス・シーズニングについて(公式のやり方を紹介!)

Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウルについて気になるのが、手入れの方法です。鉄製のフライパンやスキレットのメンテナンス方を調べると、たくさんの結果が出てきてどれが良いのかわからない方もいるかもしれません。そこで、ここではペトロマックスの海外サイトや取扱説明書に載っている公式のメンテナンス方を訳して紹介します!

petromax-fire-bowl-washing.jpg

使う前に必ず!シーズニング

シーズニングとは、鉄板の表面に油が張り付くことでできる薄い膜を作ることです。これをすることによって鉄をサビから守れる上に、食材の貼りつきを防止できます。
ファイヤーボウルは、サビ予防のためにすでに工場で油によるコーティングがされていますが、Petromax(ペトロマックス)はシーズニングを勧めています。

手順

  1. 製品を熱湯で綺麗に洗い、完全に乾かす。
  2. 植物油、グリース、すましバターなどの油を、底面がカバーできるまで注ぐ。
  3. 火にかけ、油が高温になったら小さじ一杯の塩を加える。
  4. 油と塩が混ざったものを、底面以外のすべての表面に塗る。
  5. 鉄板の色が暗くなり膜が形成されるのがわかったら、油などを捨てる。
  6. 製品が冷めたら、熱湯で洗い、完全に乾かす。その後、最後にもう一度油を塗る。

シーズニングには、オリーブオイルは使えません。高温にならない上に、不乾性油(乾かない)のため、膜を上手に貼ることができないようです。そのためごま油やサラダ油などの半乾性油や、乾性油を使うことをおすすめします。また、塩を使うのは、油を凝固させて裏面などにも塗りやすくするため。「野菜クズを焼くと書かれているサイトなどもありますが、公式の方法では必要ないようですね。
しっかし、なかなか大変です。ですが、シーズニングをすることでより長く製品を使うことができます。膜を復活させたいというときは、もう一度シーズニングをしましょう。

使用後のメンテナンス

petromax-fire-bowl-wash.jpg

使った後は、キッチンペーパーで拭くか、鉄に使用できるスポンジなどを使って汚れを熱湯で洗い流しましょう。その後、もう一度火にかけて空焼きします。そして鉄板が高温の状態で油を塗布し、キッチンペーパー等で鉄板全体に塗り込みます。これで使用後の処理は完了です。この工程を繰り返していくうちに分厚い油の皮膜を作ることができ、焦げつきにくく、サビつきにくい鉄板に育っていきます。手間は多少かかりますが鉄製品の醍醐味です。
ちなみに、「鉄フライパンには洗剤は使えない」という風潮がありますが、「シーズニング等の手入れをしっかりしていれば、むしろ中性洗剤で洗うべき」という意見もあります。いずれにせよ、汚れを落とすことが重要です。参考文献は文末に。
Petromax(ペトロマックス)公式は、汚れを落とす際は「チェーンメイルクリーナー」という製品を使うことを推奨しています。鉄板の表面を傷つけずに食材のコゲなどを落とすことができます。

petromax-fire-bowl-chain-maille.jpg

最後に、しまうときは必ず完全に乾いてから、乾燥した場所にしまうようにしてください。

まとめ

『Petromax(ペトロマックス) ファイヤーボウル』を紹介いたしました。ブランドの伝統と創造性が凝縮されたシンプルで無骨なデザイン。使うたびに愛着がわきそうです。 デザインゆえのデメリットはありますが、使い込むほどに味が出て、しっかりメンテナンスさえすれば半永久的に使えるキャンプギアなので、長くキャンプを楽しみたい方にはぴったりの逸品だと言えます。

petromax-fire-bowl-5.jpg.jpg

関連情報

  • Petromax(ペトロマックス) 日本正規輸入販売サイト『スター商事』
編集局のSNS

兵庫三菱WEB編集局では、SNSでも情報を発信中!是非フォローをお願いします♪

︿