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NANGA(ナンガ)オーロラライト450|一生使える傑作シュラフ(寝袋)を徹底レビュー!

兵庫三菱/姫路三菱 編集局
記事 : N.Nagasaka 企画協力 : 株式会社六角形
配信日 : 2021年3月29日 9時00分 JST

今回紹介するのは、日本製シュラフの最高峰「NANGA(ナンガ)」の、オーロラライト450です。
生涯保証を謳うその品質は、果たして本当にいいのか??3月のキャンプで使ってみました!冬や春キャンプをする人によく比較されるオーロラライト600や、モンベルの同価格帯のシュラフとも比較し、徹底検証していきます! ※今回使っているのは、最新の2020年モデル(DXシリーズ)ではなく、2018年モデルになります。スペックには大差ないので、2020年モデルを検討中の方も参考にしてください!

高クオリティの国内製造にこだわり続ける!NANGA(ナンガ)とは一体何がすごいの?

世界一実直なものづくり

NANGA(ナンガ)は、滋賀県米原市に本社を置くダウン製品のメーカーです。1941年に前身の布団製造会社が創業。海外の業者との価格競争にもまれる中で、新たな活路として見出したのが、寝袋メーカーとしての再出発でした。 国内かつ自社工場での生産で、妥協を許さず、実直にもの作りを続けた結果、長い年月をかけ、今では世界最高峰の寝袋メーカーとなっています。

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その実直さは、例えばダウン品質の表記に現れています。ダウンには、「FP」という弾力の指標があります。しかし明確な規則がないため、他の会社は誤魔化した表記をすることが少なくないそう。ですがNANGA(ナンガ)は、FPを計測した中での最小値をあえてカタログに採用しています。とにかくユーザーファーストの姿勢なのです。そうして実際に使い、見た目ではわからない良さを実感したユーザーから、次第に評判が広がっていったのだといいます。

驚きの「永久保証」について
さらに、NANGA(ナンガ)の特徴といえば「永久保証」です。破れや穴あきの直しは、無償で対応。生地やファスナーなど、取り替えの分は材料代だけが必要です。
これらの永久保証が始まったのは20年以上前に、お客さんの要望に応えてから。ここにもNANGA(ナンガ)の姿勢が表れていますね!

NANGA(ナンガ)オーロラライト450の基本情報

今回紹介するNANGA(ナンガ)オーロラライト450は、写真の真ん中です。

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  • 価格:¥40,480(税込)
  • 総重量:約865g
  • ダウン量:約450g, 760FP
  • 快適使用温度 /下限温度:-0℃ / -5℃
  • 3シーズン用
  • 使用時サイズ:レギュラー
    最大長:210 X 最大肩幅80/cm(身長178cmまで)
    ※ショート、レギュラー、ロングの3サイズあり。
  • 収納時サイズ:φ14 × 30cm
  • 付属品:収納袋、長期保管用のバッグ
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オーロラライト450DXは、NANGA(ナンガ)のシュラフのフラグシップモデル「オーロラライト」シリーズの一つ。このシリーズにはダウン量に応じて350~900まで5つの製品があり、450は下から二番目のモデルです。
また、450以下のモデルは、冬を除く3シーズン用です。この点こそ、多くの人が迷うポイントでもあります。特に、冬キャンプ用のシュラフを探している方々。
一つ上のモデル「600」は、冬用に作られていますが、夏には暑すぎるため、別のシュラフが必要になります。一方で、こちらの450は3シーズン用にしては暖かく、冬でも十分使えるのではないかと、検討している方が多いようです。このあたりも、600との比較を通してみていきましょう!

NANGA(ナンガ)オーロラライト450を細かくチェック!600とモンベルの冬用シュラフと比較してみた!

さぁ、オーロラライト450の良さを、細かい部分までみていきましょう。一緒に比較するのは、レンタルした一つ上のモデル600と、4年前に型落ちのアウトレットで買った、定価50,000円ほど(多分)のモンベルの冬用シュラフです!

比較するシュラフのスペック
  1. オーロラライト600 NANGA-aurora-light43.JPG
    • 価格:¥51,480(税込)
    • 快適使用温度 /下限温度:-4℃ / -11℃
    • ダウン量:約600g, 760FP
  2. モンベル U.L.スーパースパイラルダウンハガー#0 NANGA-aurora-light28.JPG
    • 価格:¥50,000(税込)程度?
    • 快適使用温度 /下限温度:-16℃ / -31℃
    • ダウン量:?g, 800FP

    調べても正確な発売年や価格がわからないですが、サイズは3つの中で最も大きく、冬山向けです。

  3. 外観をチェック!目を引く鮮やかさ

    2018年モデルのオーロラライトは3色展開。今回、450は赤色を選びました。収納時は非常にコンパクトで、手のひらに乗るサイズです。

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    モンベルのシュラフの赤と比べると、より鮮烈な赤色をしています。NANGA(ナンガ)のロゴと日本国旗があしらわれたタグ。かっこいいです。

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    オーロラライト450の、フワフワ感を生み出す構造。600と比較。

    オーロラライトシリーズは、マミー(ミイラ)型の縫製がされています。取り出して広げた際に、シュラフが立ち上がりやすく温まりやすい構造だそうです。

    たしかに、広げると見る見るうちに膨らみ、フワッフワ状態に。レンタル品の600も同様でした。モンベルと比べても一目瞭然。(モンベルは何度も使っているので、比較すべきではないかもしれません)NANGA-aurora-light6.jpeg

    顔を取り囲む唇のようなチューブも、暖かいよう工夫されているポイントです。 NANGA-aurora-light36.JPG

    600との違いは、スペースが空きがちな肩回りを温める「ショルダーウォーマー」と、足を温める「フットボックス」です。二つの部分に綿が多めに入っており、より温まりやすいです。 NANGA-aurora-light46.JPG NANGA-aurora-light47.JPG

    YKKと共同開発のファスナーが、全く噛まない!

    NANGA(ナンガ)のシュラフのファスナーは、あのYKKの特殊スライダーが使われています。これが全く噛まなくて、本当にすごいです。下の動画でもわかるように、NANGA(ナンガ)のオーロラライト450と600はスムーズにファスナーを開閉できます! モンベルのシュラフは数回に一回、どうしても生地を巻き込んでしまいます。

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    またスライダーには蓄光パーツも使われており、暗闇でも開閉がしやすいです。

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    防水加工でシュラフカバーいらず

    NANGA(ナンガ)のシュラフといえば、防水加工も魅力の一つです。通常、シュラフはダウンが濡れるのを防ぐため、別売の防水のシュラフカバー(写真のようなもの)が必要です。これがないと、浸水して大変なことになることも。

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    しかし、NANGA(ナンガ)製品はシュラフ自体が防水加工済みなので、シュラフカバーを買う必要はありません。これだけで数万円を浮かせるので、永久保証も加味するとやはり他のシュラフよりも結局安く済ませられそうです。

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    実際に使ってみた!3月の春キャンプにて

    春でも充分使える暖かさ

    使ってみた主観の暖かさをレビューするのはナンセンスだとは思うのですが、書いておきます。

    結論からいうと、3月中旬に、キャンプ初体験の女性でも、(ほぼ)充分に暖かく寝れました!が、サイズ選びが何より重要なことがわかりました。
    就寝の環境は、3月中旬の滋賀県マキノ高原キャンプ場。天気は大雨で、夜の気温は5,6℃まで冷え込みました。息は白く、とても寒いダブルウォールのテント内、床にはアルミ断熱シートと断熱マットの定番「サーマレストZライトソル」を敷いた状態です。

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    取材班三人がそれぞれ、オーロラライト450、600、モンベルに入って眠りました。オーロラライト450で寝たのは、身長153cmほどの、キャンプ初体験の女性。シュラフ自体は充分暖かかったものの、レギュラーサイズが体に合わず、冷気が入り込んでしまったそう。顔の部分を閉め切り、口と鼻だけを出した状態でなら寝れたそうです。

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    一つ上の性能のオーロラライト600で寝た女性は、全く問題なかったとのこと。しかし、彼女も身長は156cmで、レギュラーサイズは大きすぎたはずです。ところが、オーロラライト600以上のモデルにある、肩周りを温めるショルダーバッグ機能のおかげで、全く寒くなく寝ることができたそう。
    つまり、オーロラライト450を寒い日にも使うなら、サイズが合っていることは絶対。また、冷気の侵入を防ぐためにマフラーなどを肩周りにおくのもアリかもしれません。いずれにせよ、しっかり準備すれば気温5℃でも十分に寝ることができます。
    ちなみにモンベルのシュラフで寝た男性(筆者)は熟睡でした。

    シュラフ内のゆとりは充分?

    シュラフで意外と重要なのが、ゆとりです。その一つの目安が、「あぐらをかけるかどうか」。今回使った3つのシュラフでも比べてみました。試しているのは、170cmの成人男性です。

    • オーロラライト450 NANGA-aurora-light4.jpeg

      ちょっと厳しいです。

    • オーロラライト600 NANGA-aurora-light3.jpeg

      こちらもあぐらをかくのは厳しい。

    • モンベル NANGA-aurora-light5.jpeg

      余裕であぐらをかけます。スパイラルストレッチシステムという独自の構造が効いているようです

    オーロラライトシリーズでは、あぐらはかけませんでした。しかし、ファスナーは2つついており、写真のように調節できるので、座りながらマントのようにかぶることはできます。いざという時はそうして使いましょう。

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    フワフワすぎて収納しにくい??

    収納にかかる時間を、3種類のシュラフで比べてみました。

    オーロラライト450と600は、3分弱かかりました。フワフワすぎるのと、収納袋がかなりキチキチのため、時間がかかります。

    モンベルのシュラフは1分強で収納できましたが、シュラフカバーの収納時間を加味すると、オーロラライトとほぼ変わりません。

    手入れについて

    長く使うため、手入れはしっかりしたいところ。
    寝袋の劣化について、NANGA(ナンガ)の横田社長本人のインタビュー記事で書かれていたことは以下の通りです。

    • ダウン自体は5,60年もつ。保温性が下がるのは、実はダウンに付着した汚れのせい。汚れさえ落とせばよい。
    • しっかり洗濯すれば、フワフワさ(FP)は完全に復活する。

    また、洗濯については、以下の通りです。

    • 家での洗濯では、数年でFPは落ちてしまう。
    • クリーニング店でもしっかり洗うのは難しい。使うなら、ドライクリーニングを。水に濡らして乾かす過程で撥水加工が劣化してしまうため。
    • 一番良い方法は、NANGA(ナンガ)が直接契約している洗浄工場。寝袋は¥5,000(税別)で対応してくれる。預かり期間は1~2ヶ月。
    加えて、羽毛が足りないと感じたときは、有償で増量してくれるサービスもあります。こうしたサービスを使えば、何十年と長く使えそうですね。

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    まとめ

    ここまで、NANGA(ナンガ)オーロラライト450を、同600やモンベルのシュラフと比較しながらレビューしてきました。最後に実際に使ってわかったメリット・デメリットをまとめて終わりにします。

    値段が高いように見えて、非常にコスパが良い!

    前提として、そもそも非常にクオリティが高いです。
    それでも高い!と思いがちですが、永久保証などのアフターサービスを利用して何十年も使い倒すとすれば、むしろ安いとも考えられます。シュラフカバーを買う必要がないのもポイント。

    暖かいのにコンパクト

    今回検証して、450は真冬でなければ寒い中でも十分に使えることがわかりました。つまり、ほとんど1年を通して使えるでしょう。
    それでいて、縫製や羽毛のクオリティのおかげでコンパクト。さらにシュラフカバーがいらないため、同レベルの暖かさのシュラフとは完全に一線を画しています。

    しまいにくいことと、あぐらがかけないことが小さなデメリット

    正直、これらはデメリットというほどではありません。結論としては、悪いところがほぼない最高のシュラフだと思います。

    以上、NANGA(ナンガ)オーロラライト450の使い勝手の徹底検証&レビューでした!参考になりましたら幸いです。

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