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街レポ#4『元町映画館』映画ファンが築いたこだわりのミニシアター【神戸/元町】

兵庫三菱Web編集局 | 記事 : A.Yamamoto
配信日 : 2018年12月28日 13時00分 JST

今回の、街レポは神戸育ちの神戸っ子!ヤマモトが担当します。元町駅西口改札から、南に降りたところにある元町商店街の通りの中に、小さな映画館があります。

知る人ぞ知る!ミニシアター元町映画館

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「映画館」と聞くと、多くの方が、ショッピングモールの中に入っていて、複数のスクリーンがあって規模も大きい映画館をイメージするのではないでしょうか。私も今まではそうでした。その大きな映画館はシネマコンプレックスといい、略してシネコンと呼ばれています。

今回ご紹介する「元町映画館」はシネコンとは異なり、ミニシアターといわれる部類に入ります。ミニシアターとは、ハリウッド映画や日本の大手メジャー作品以外の、世界の様々な国の映画を上映する映画館のことです。大きな特徴としては、シネコンでは上映しにくいドキュメンタリー作品が多いです。

ミニシアターの運営側で、「次はどんな映画を上映しようか」と考えが練られているので、観客側も飽きることなく「次は何だろう」とワクワクしながら待つことができます。

そんな次回作品が待ち遠しくなるミニシアターですが、90年代までのミニシアターは20代の若い人を中心に盛り上がっていたものの、現在はシネコンの都心への進出という背景もあり、2000年頃から、ミニシアターの閉館が相次いでいました。

映画ファンが作った映画館

ミニシアターが減っていき、若者のミニシアター離れもある中で、元町映画館は 「多様な映画を見る機会を少しでも増やしたい!」という想いで立ち上がったそうです。

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非営利団体である一般社団法人 元町映画館として、映画館を2010年に設立し9年目を迎え(2018年12月現在)、地元の人々に愛される映画館になっています。 元町映画館で上映される作品は、年代・ジャンル・規模も幅広く、自分がもしかしたらみなかったであろうと思う作品との運命の出会いでもあります。また、元町映画館では定期的に監督や出演者によるトークイベントや、レストランとのコラボなどもあり、観た人がもっとその作品を好きになるような仕掛けづくりがされています。そういった取り組みが、地元のファンを飽きさせず、虜にしてしまうのだと思います。

「映画チア部」ミニシアターをサポートする学生たち

若者のミニシアター離れがあると言いましたが、映画をこよなく愛する若者ももちろんいます。元町映画館は、近隣の映画館や上映団体だけでなく、学生たちとも、協力しあい「地域密着の新しい映画館」作りをしています。その学生たちとは、「映画チア部」というミニシアターの魅力を学生に伝えるために結成された学生による学生のための宣伝隊で、元町映画館を中心に、大阪や京都でも活動しています。

映画チア部が、ミニシアターを盛り上げるために考えた主な企画をご紹介します。

◆シネマツーリング: ミニシアターには行ってみたいけれど、一緒に行く友達もいないし1人で行く勇気も...といった学生でも気兼ねなくミニシアターデビューできるようにするサポート企画

オールナイト上映: 湊川公園近くにある「パルシネマしんこうえん」というと協力して、お泊り気分で映画3本立てのオールナイト上映企画。

実は、私の幼馴染が映画チア部のメンバーで、話をきいたところ、元町映画館の支配人林さんが「若手の監督や映画鑑賞をする人(評論家に近い)を今後のばしていきたいという思いがあり、だからこそ若い学生が考える企画が良い」と話していたらしく、学生の意見を交えながら積極的に企画を一緒に考えてくださると言っていました。

元町映画館に行ってみましょう!

映画ファンの人々が協力しあって続いている元町映画館に実際に映画を観にいきました。 阪神/JR元町駅から南にくだって商店街のアーケードに入り、西側に向かいます。 (神戸では、海側が南、北側に山があるので迷子になったら山と海を探しましょう)

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柱に取り付けられた元町4丁目と書かれたこの看板が見えてきたらもうすぐです。クリスマスシーズンに行ったので、かわいいクリスマスリースも一緒についていました。

到着したら、中の受付でチケットを買い、一緒に整理券ももらいます。この時に1作品鑑賞毎に1スタンプもらえる「元町映画館スタンプカード」を発行してもらうと、スタンプ5つで1本無料で鑑賞できるというおトクなカードももらえました。よし、あと4回行こう!

上映前までは自由時間なのでのんびりと元町商店街を過ごしましょう。今回はのんびり過ごすために、上映1時間前にチケットを買って、整理券10番目をゲットしました。近くのレストランやカフェで過ごしてもいいですし、2階の待ち合いスペースで過ごすのもおすすめ◎

元町映画館の左側にある階段から、2階の待合スペースにいけます

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この看板の黄色の紙を読むと、「劇場内へのお持ち込みもOKですと書かれています! そう、ミニシアターではシネコンではやってはいけない持ち込みができちゃうんです。ただし、音やきついにおいが出ないものにして、周りの鑑賞中の方に迷惑をかけないようにするのがマナーです。

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わたしは駄菓子が大好きなので、元町映画館から東に3分ほど歩いたところにある「よしや」という駄菓子屋に行って、大好きなボンタンアメとわさびのり太郎とカルピスを買いました。

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上映10分前に戻ってきて、整理券を渡し、いざ中へ! やわらかい照明の、ほんのりとした薄暗さが赤色の座席とマッチして、落ち着いた雰囲気が最高です!66席あって、1番後ろの左側に車椅子専用席があります。座ってみると、座り心地もよく、びっくりしたのが座高が高めな155cmの私には背もたれとの長さがかなりちょうどいい笑

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私は今回、「愛と法」という、大阪にある法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)を追った、ドキュメンタリー映画をみてきました。 作品の中では、弁護士夫夫のカズさんとフミさんの2人が弁護した、作品が罪にとわれたアーティストのろくでなし子さんや、無戸籍で生まれてきた人々、君が代不起立で処分された先生、養護が必要な子どもたちなどなど様々な人々が登場します。日本社会の現実の問題を、扱っていて鑑賞する前と後ではその問題への見方が大きく変わる作品でした。

私は、映画のジャンルの中でも、ドキュメンタリーが特に好きで、「ドキュメンタリーを見るなら元町映画館に行く」という思考になるくらい、面白い作品をいつも上映していて、今回も選んで正解でした。 ドキュメンタリーは、ニュースとは違って「人の顔」をうつすので、その人がどういう人なのか、どういう考えをもっているのかという素の部分がみれるので、1つの情報だけで物事を判断はできないということを映画から教えてもらえます。この「愛と法」という作品も、実際にニュースで取り上げられたものばかりで、ニュースだけをみると「こういう人もいるんだなぁ」と、どこか遠い存在で、自分とは関係がないという認識になっていたものも、その人の素顔を見ると、その人自身や問題となっていることを身近に感じることができます。「無関心」という状態から切り離すことができるのはドキュメンタリー映画の大きな影響力だと思っています。 また、映画に登場するフミさんが、カズさんのライブや完成したPVを毎回泣きながらみているのが、とても愛らしかったです。

鑑賞してみて、ミニとはいえ、家でみる映画とはまた違いますし、大きな映画館でみるのとも違うと感じました。映画によっては鑑賞する場所で、雰囲気も変わるので、その作品そのものの雰囲気も変わるのではないかと思います。そして、その雰囲気作りを元町映画館では大切にされているのだということを、上映後に出てきた観客全員に対してスタッフの方々が笑顔で「ありがとうございます!」と言っておられたことから強く感じました。

元町映画館
場所
〒650-0022 神戸市中央区元町通4丁目1-12
公式HP
HP
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